選ばれる商品づくりはコンサルタントの命とも言えます。
なぜならば「クライアント作り」と密接した関係にあるからです。
コンサルタントの仕事はクライアントの抱える問題の解決です。
例えば
“競合店が出来て売上が急速に落ち込んでいる”
“従業員がすぐ辞めてしまう”
“管理職が育たない”
“新規設備投資の採算性について判断できない”
“セキュリティーの強化”
“コスト削減”
これらの問題を解決するスキルやノウハウがコンサルタントの商品です。
こうしたクライアントの抱える様々な問題を解決できなければ、
いくら集客が上手でも
長くコンサルタントとして活躍できないからです。
最近ではyoutube ,facebook等の SNSやZoom、lineなどの
集客のツールが沢山出てきました。
情報発信のツールが低いコストで活用出来るようになったことは
起業する者にとって喜ばしい事です。
ただ肝に銘じていただきたいのはこうした集客ツールや、
SNSが顧客を自動的に集めてくれるものでは無いという事です。
“自動的に顧客を創る”“自動化”などと言う言葉に魅せられて
高額なコンサルタント養成塾に入会したり、
教材を購入する人が多くなっています。
繰り返しますが顧客を創るのはあなたの商品・サービス(コンテンツ)です。
集客ツールではなく顧客の抱える問題を解決できる
貴方のノウハウやスキルこそが顧客を創る事が出来る事を忘れないでください。
それでは本題です。
選ばれる商品・サービスを作る手順をお話していきます。
前提として未だ顧客が一人もいない起業するための準備段階の人が対象となります。
【1】先ずは3つのリサーチです。
1.自分のリサーチ
選ばれる商品コンセプトを作成する際に必要なキーワードは「強み」と「独自性」です。
端的に言うと、 「どうしてあなたから買わないといけないのか」あなたの商品が選ばれる理由が必要なのです。
まずは商品の強み、または強みになりそうな部分を分析し、それが顧客に対してどのような「ベネフィット」を生み出すことができるのか、自分の商品をリサーチしてください。
「ベネフィット」とは、「顧客が商品やサービスを購入することによって、得られる利益」と定義されることが多いのですが、
本書では「クライアント企業があなたの商品・サービスを購入することで抱えている問題が解決すること」と定義します。
起業時には“自分は何が出来るのか”、“どんな経験により何を教える事が出来るのか”が優先されます。
顧客のニーズを優先しても自分の持つノウハウで顧客の満足を得られなければ商品として成り立ちません。
具体的な手順として、自分の得意なことや得たスキル、経験から得たノウハウや知識を棚卸します。
又自分の好きな事、情熱を燃やせる事は何かリサーチする事も商品づくりの際には重要です。好きな事、情熱を燃やせることで壁にぶつかったときでも挫折しないからです。
起業時に順風満帆に進める人は少ないものです。
2.ライバル企業のリサーチ
ここで注意する点は、あなたの商品の強みが必ずしもそのままターゲット企業に対するベネフィットを生み出すわけでは有りません。
一旦一般的な企業に対するベネフィットとして考えておいてください。
そしてその強みから生み出されたベネフィットを「独自性」のあるものに仕上げていきます。
これらの作業の為にもライバル企業のリサーチが必要となる訳です。
既にたくさんの同業者がいる訳で、その中からクライアントに選ばれなくてはならないからです。
図に有る様に競合の強み、弱みを分析し競合の弱みの部分を強化する事や、自社の強みをさらに強化するなど独自性のある商品に仕上げていきます。
独自性が発揮できなければまた最初の強みに戻って、ターゲットを変えた上でもう1度ベネフィットを考え直してみたりするような作業になります。
3.顧客のリサーチ
商品作りは通常、マーケットインの発想で作成するのが良いと言われています。
すなわち、どのような企業が(ターゲット)、どのような場面で(提供方法)、何を求めるのか(ベネフィット)をさまざまな手法で明らかにした上でそれを商品作りに当てはめる方法です。
すなわち顧客企業の抱える問題を聞き出し解決する手法です。
その方法ではクライアント企業にマッチした商品・サービスを生み出すことはできますが、現状を満足させる商品・サービスを作れても革新的な商品は生み出されません。
又一般的に多い課題で有る事が多く競争も激しいものです。
そこで起業時はプロダクトアウトの手法をおすすめします。
プロダクトアウトと言えば、高度成長期に行われた製品ありきとする手法のイメージを持たれている方もおられるかもしれません。
しかしプロダクトアウトの本質はよく言われるような「製品ありき」という発想ではありません。
上記のマーケットインによるアプローチが、すでに顕在化されたニーズに合わせて商品を作るのに対して、プロダクトアウト的なアプローチは、いまだ顕在化されていない潜在的なニーズ(経営者がまだ気づいていない課題)に焦点を当てて商品を生み出します。
勿論根底にはクライアント企業の問題解決(ニーズ)をする事に有りますが
独自性のある商品・サービス作りが出来る訳です。
例えば「AIを活用した業績アップ」と言う発想はマーケットイン発想では出てきません。
プロダクトアウト発想で作られた商品は形のあるモノでは有りません。
またそのサービスは高額になります。
顧客の立場からしてみれば商品・サービスの善し悪しを判定することが難しいのです。
特に中小企業の経営者はコンサルタントと契約経験が有るひとは多くありません。
その為、自分の抱えている問題をどのように解決してくれるのか不安を抱いています。
その為には先ずは商品サービスの「見える化」が必要となります。
具体的には 商品の特徴 他社との違い 問題解決の手法 アクションプラン 料金を含んだ商品・サービスカタログを作成する事が重要です。
高額商品になればなるほど立派なカタログや企画書が有りますがコンサルタントで自分の商品やサービスを「見える化」している人はあまりいません。
顧客視点での商品づくりのもう一つの課題は高単価商品の購入をどのようにして実現するかです。
その為に起業時に開発しなければならない商品が3つあります。
それがフロントエンド商品 ミドルエンド商品 バックエンド商品です。
フロントエンド商品とは集客商品です。バックエンド商品とはあなたが最も販売したい商品で収益商品の事です。
顧客との信頼関係がまだできていない段階では高額な収益商品であるバックエンド商品は中々購入してもらえません。
そこで購入のハードルを低くし自分の商品・サービスをお試しいただく商品の開発が必要となります。
その商品がフロントエンド商品です。
フロントエンド商品に興味を持っていただいた方にオファーするのがミドルエンド商品、バックエンド商品です。
一般的にはバックエンド商品は高額となる為その中間に当たる商品がミドルエンド商品です。
これら商品サービスのオファーのステップを『セールスファネル』と呼ばれています。
『セールスファネル』とはフリー→フロントエンド→ミドルエンド→バックエンドの順番で商品を提供する一連のステップの事です。
メルマガや小冊子など、無料で何か閲覧できるものを「フリー」として見込み客へ渡し、そのフリーに興味を持った一部の人が「フロントエンド」に進んできます。
フロントエンドでは、バックエンド商品がコンサルならば体験セッションが体験出来るようなものや、定額のセミナー、音声や動画のコンテンツを提供します。
あくまでも集客商品ですので価格は5000円~10000円ほどに設定する方が良いでしょう。
注意したいのは価格が安いからと言って手を抜く事は避けなければなりません。
フロント商品は“あなたの看板商品”です。
「こんな安くこの商品を提供して良いのか?」「凄いな」
「バックエンドはもっとすごいのだろう」と思っていただく商品でなければなりません。
そして、「フロントエンド」の中からさらに興味を持った一部の人が「ミドルエンド」に進んでくるのです。
ミドルエンドは、フロントエンド商品からバックエンド商品への掛け橋です。
教材などフロント商品から一歩進んだ商品が該当します。
さらに「ミドルエンド」の中からより一歩深く勉強したいという人にコンサルティングサービスの契約といった高額の商品を販売する流れをつくるのです。
セールスファネルで重要なことは、
『バックエンド商品を提供するためにフロント商品を作る』ということです。
バックエンド商品が「ITを活用した業績アップ」であればそのテーマに関連した商品・サービスが望ましいのです。
例えば見込み客企業におけるIT化の現状を診断しレポートとして提供するサービスは次のオファーに繋がりやすいので理想的なフロントエンド商品です。
加えて重要なことはフリー、フロントエンド、ミドルエンド、バックエンド商品までの一貫性です。あなたのメッセージやビジネス思考、において一貫性がないといけません。
<ワーク>
①あなたのビジネスの『バックエンド商品』は何ですか?
②そのバックエンド商品の価値を体験してもらうためには、どんなフロント商品が適切だと思いますか?
【2】高単価化するから集客が楽になる
『儲かる』から高単価にする。
実はこの考え方は間違いです。
もしこのように考えているのであれば、
「根本の考え方」から変える必要があります。
では、どのような考え方に変えるべきなのか?
高単価化にすると、
- 本気度の高い顧客が集まる
- 時間に余裕が生まれる
- 顧客のサポートに力を注げる
- 顧客が結果を出しやすくなる
- 自分の経験・実績が増える
- 自分に自信が付く
- 利益が確保できるようになる
- 収益を広告費に回せる
- 新しい顧客を獲得できる
本来コンサルタントの仕事は「顧客の抱えている問題を解決する事」何度となく言っている事です。
その為、コンサルタントの仕事の優先順位は自分の能力を磨き、『顧客の成果を出す』為に行動することです。
集客に力を注ぐあまり重要なことを忘れてしまっているコンサルタント起業者がとても多いので敢えて申し上げます。
自分を信頼してくれている顧客の為に、自分の本業以外に時間を割かないようにしましょう。
商品単価を下げる事より商品・サービスの価値を上げ高単価で提供出来るように
心血を注いだほうが確実に良い方向に進んで行きます。
<ワーク>
商品単価を2倍にするアイデアを3つ書き出してください。
【3】高単価化の秘訣は「商品のパッケージ化」です
ビジネスを高単価化する秘訣。
それは、「商品のパッケージ化」することです。
これは、あなたが一番簡単に高単価化出来るテクニックの一つです。
どんなコンサルタントであっても部分的な単発のセッションで成果を出す事は難しいものです。なぜなら、短時間で顧客の状況を全て把握することは不可能だからです。
しかし、「商品のパッケージ化」し、スケジュール化されたプログラムの中で成果を出すことは顧客の状況も見えてくるのでうまくいくものです。
「商品のパッケージ化」には以下の項目が含まれている事が必要です。
- 商品を購入すると得られるメリット(顧客のベネフィット)
- 他社との違い
- エビデンス(企業での経験・実績)
- 実績や顧客の推薦
- 問題解決の手法 (ノウハウ)
- アクションプラン(解決までの手順とスケジュール)
- 料金
- プロフィール
「商品のパッケージ化」し販売する事で顧客に対するコンサルティングが長期化するため、成果を上げやすくなるのです。
顧客が成果を上げやすくなると、コンサルタント自身も自分への自信が湧いてきます。
こうなると、さらに単価も成約率も上げやすくなるという好循環が起きます。
「商品をパッケージ化」するメリットはほかにも有ります。
値引きされにくいのです。
顧客は、あなたが本当に問題を解決してくれるのかという疑問や不安を抱えています。
その為、少しずつ「お試し」しながら
コンサルを受けたいと思っているものです。
はじめからパッケージ全体を見せることにより、具体的なアクションプランが有る為問題を解決してくれそうと思うから「値引き」されにくくなるわけです。
また、パッケージ商品を複数作れれば、セット販売も高単価に繋がります。
例えば
AI コンサルティングセット:200万円
AIツール制作セット:100万円
2つのパッケージセットで300万円のところを
200万円でどうですか?
というようなセット販売もできると思います。
「商品のパッケージ化」はこのように商品・サービスの高単価に繋がりますが、解決まで手順が解り易く理解できるので、“これなら解決できそうだ”と安心する為に契約そのものの成約率も格段と高く成ります。
<ワーク>
あなたのコンサルをパッケージ化するとすれば、どんなプログラムになりますか?